たばこの総損失2兆円超 関連介護費は2600億 火災による被害も推計 厚労省研究班

喫煙する男性(写真はイメージ、早坂洋祐撮影)
喫煙する男性(写真はイメージ、早坂洋祐撮影)【拡大】

  • たばこによる総損失額

 たばこの害による平成27年度の総損失額は医療費を含めて2兆500億円に上ることが8日、厚生労働省研究班の推計で分かった。たばこが原因で病気になり、そのために生じた介護費用は2600億円で、火災による損失は980億円だったことも判明した。

 26年度も直接喫煙や受動喫煙による医療費を算出していたが、27年度は介護や火災に関する費用を加えた。研究班の五十嵐中・東京大特任准教授は「たばこの損失は医療費だけでなく、介護など多くの面に影響が及ぶことが改めて分かった」とし、さらなる対策が必要だとしている。

 推計は、厚労省の検討会がたばこと病気の因果関係が「十分ある」、もしくは「示唆される」と判定したがんや脳卒中、心筋梗塞、認知症の治療で生じた医療費を国の統計資料を基に分析。こうした病気に伴い必要になった介護費用や、たばこが原因で起きた火災の消防費用、吸い殻の処理などの清掃費用も算出した。