被曝医療の支援強化を要望 大学などが整備遅れ訴え

 日本の放射線被曝(ひばく)医療体制を担う中核施設に指定されている弘前大、福島県立医大、広島大、長崎大と、放射線医学総合研究所(放医研、千葉市)が「体制整備が遅れており、国の支援強化が必要だ」とする要望書を国に提出した。

 放医研は、高度専門的な診療・教育・研修などを行う「高度被ばく医療支援センター」の指定を受けている。4大学は、同支援センターの指定と併せ、原子力災害拠点病院の支援や関連医療機関とのネットワーク構築、原子力災害時の医療チーム派遣調整などを行う「原子力災害医療・総合支援センター」にも指定されている。

 要望書によると、平成23年の東京電力福島第1原発事故後、放射線被曝医療に求められる役割が大きく変化。原発内での事故への対応から、広く公衆が被曝する事態にまで想定が拡大された。一方で、27年にこの4大学1機関が指定を受けた後も、体制整備が遅れていると訴えている。

 具体的には、被曝医療に従事する医師や看護師、放射線技師など人員、人材が不足しているほか、救急・災害医療との連携体制の不備、国民の理解不足など問題点を列挙。国が24道府県に指定を求めた原子力災害拠点病院をまだ指定していない府県があることも課題として挙げた。

 その上で要望書は「教育活動の拠点として不可欠な、除染処置や線量評価などに必要な設備」「原子力事故の発生時に、傷病者の被ばく線量を評価するための核種分析や生体試料分析の専門設備」の2点について「各大学が自己資金で賄うのは不可能だ」として、国の全面的支援で整備するよう求めた。