◆勝ち負けがはっきり
プロボウラーで東京ポートボウル(港区)総支配人の東海林(しょうじ)忠勝さんは「ボウリングはルールもレーンの長さもずっと変わっていません。ですから青春時代に熱中したもののしばらく遠ざかっていた人でも容易に戻って来ることができ、すぐに3世代、4世代で楽しむこともできます」と説明する。
シニアに人気の理由について、東海林さんは「倒したピンで点数を競うボウリングは、勝ち負けがはっきりしています。この点が同世代の人数が多く、激しい競争の中で育った団塊世代に好まれる理由ではないでしょうか」と分析する。
東京ポートボウルでは、「『シニアの健康ボウリング』教室」を開催。これをきっかけに、シニアのリーグ戦に参戦するようになり、定期的にプレーする人も増えている。また、リーグ戦の参加者たちで毎回お茶会を開くなど、スムーズに仲間づくりができる。
◆体に適度な負荷
風雨を気にすることなく、特に今年のように熱中症で搬送される人が続出するほどの猛暑でも、屋内で安全、快適にプレーできるのは、シニアだけでなくあらゆる年代層にとってもメリットがある。
明治安田厚生事業団ウェルネス開発室の塙智史室長は、ボウリングの魅力について長く続けやすい点を挙げる。「ジョギングなど1人で取り組むスポーツは、いやになるとやめてしまいますが、仲間と楽しむボウリングは続けるための動機を持ち続けやすい。毎回スコアを競い合うのも意欲を高めることにつながる」からだ。
一般に高齢者は重いものを持つ機会が少ないが、ボウリングは重いボールを投げるスポーツ。「体に適度な負荷がかかることで骨が強くなり筋肉も付く」とメリットを強調。プレー後は心地いい疲れが味わえる。体の半分、右利きであれば右手と左足を主に使うので、「プレーの前後に、あまり使わない方の手足を動かすなどするといいでしょう」とアドバイスしている。