認知症の介護経験者は対処法理解、予防にも積極的 日医総研リポート

 認知症の人を介護したり、身近に接したりする経験がある人は、そうでない人に比べて認知症に対する理解が深く、その予防にも積極的であるとのリポートを日本医師会総合政策研究機構(日医総研)が発表した。

 太陽生命保険(東京)が昨年3~4月に40~70代の被保険者から無作為抽出した5000人にアンケートした結果を、日医総研が2次的に分析した。回答を得られた1557人の78%が女性。回答者のうち「認知症の人を現在介護中」「介護したことがある」「身近にいる・身近にいた」を合わせて50%だった。

 こうした経験がある人とない人とで、認知症に対する考えを複数回答で聞いた結果を比較した。すると、経験ありの人は「治療で症状の進行を抑えたり、改善したりできる」「家族や周囲の理解、支えがあれば、暮らしてきた地域で暮らすことができる」との回答が経験のない人より多かった。費用や利用できる介護サービスの内容についての不安・心配事も少なく、認知症への対処方法を理解していることがうかがえた。

 予防のために心がけていることの設問でも「人との付き合いを大事にする」「いろいろなことに興味、関心を持つ」など、いずれの項目でも、経験ありの人の回答割合が、ない人を上回っていた。

 分析した坂口一樹・日医総研主任研究員は「経験ありの人は、かかりつけ医を持っている割合も高い。認知症患者と身近で接することにより、予防の重要性に気付き、発症後の生活も前向きに捉えられるのではないか」と指摘している。