「民間インフラ守る任務、自衛隊になく脆弱」 安保防衛懇2回目

 政府は21日午前、防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」の見直しに向けた有識者による「安全保障と防衛力に関する懇談会」の会合を首相官邸で開いた。サイバー空間での安全保障や、北朝鮮や中国などの脅威が増す東アジア情勢をめぐる課題について議論した。

 慶応大大学院教授の土屋大洋(もとひろ)委員は、サイバー空間上の課題について「日本は重要な通信インフラがかなり民間部門にあり、それを守る任務が自衛隊に必ずしも付与されておらず脆弱(ぜいじゃく)だ」と指摘した。

 北朝鮮問題では「現実的な脅威は1年前に比べ高まっている。平和の方向に現実化してはいない」などの意見が出た。中国やロシア、米国の情勢についても議論が行われたという。

 懇談会は8月に初会合が開催され、この日は2回目。サイバー問題のほか弾道ミサイル対応や南西諸島防衛など幅広く議論し、12月中旬にまとめる新たな防衛大綱に反映させる。次回会合は10月上旬に開催し、安全保障戦略の方向性について話し合う。