福岡市は、無料通信アプリLINE(ライン)を活用し、スマートフォンの簡単な操作で粗大ごみの収集を申し込めるサービスの実験を始めた。IT大手と組んで利便性を高め、市民サービスの向上を図るとともに、業務効率化につなげる。実験は来年2月末まで。自治体がこうした仕組みを導入するのは全国初という。
福岡市が3月、行政サービスの効率化案を募集し、LINEが提案したことで実現。利用者は福岡市のアカウントを登録の上、ごみの種類や個数、収集希望日など示された選択肢をタップすれば申し込める。「受け付け完了のメールが届かない」などの質問内容を声や操作で入力すれば、人工知能(AI)が返答する機能も組み込んだ。
福岡市はこれまで、粗大ごみの収集の受け付けを、電話や専用サイトで対応してきた。件数は増加傾向にあり、昨年度は相談も含め約24万3千件に上った。電話での対応業務を外部委託するなどしているが、LINEでその一部の代替を図る。
LINEを使えば電話などと比べ、約半分の時間で申し込みが完了するといい、市の担当者は「利便性を高めつつ、行政事務の効率化も図りたい」と話す。ただ、粗大ごみを出す際に、コンビニなどで処理券を購入し貼り付ける必要がある。市は、スマホ決済が導入できるかも検討している。