厚生労働省の平成28年の調査によると、1日の平均睡眠時間が6時間未満の男女(20歳以上)の割合が、15年の調査開始以降、最も高い39.5%に達した。十分な睡眠が取れない理由として、男女ともに「仕事」が挙がる。寝不足が借金のようにたまって心身に悪影響を及ぼす「睡眠負債」は29年の流行語になった。米ランド研究所によると、日本の睡眠不足による損失は年間で最大1380億ドル(約15兆5000億円)と推計されている。
メタボが、“国民の健康指標”としての地位を得たのは、肥満の定義として腹囲を採用したことだ。生活習慣の改善の分かりやすい動機付けとなり、やせることで成果を実感できる。
快眠ビジネスが国民に受け入れられるかどうかは、効果が見える化できるような測定基準が必要だろう。
もちろん、睡眠不足に陥る根本的な要因を取り除かなければ、快眠商品の成果は得られない。企業は働き方改革に積極的に取り組み、従業員にとって働きやすい環境を整えることが優先だろう。
最近では、睡眠時間や寝返りの動きなどから睡眠の質を図る睡眠計が、数千~数万円で購入できる。将来、毎日の眠りの質を指数化し、健康管理に役立てられれば、市場のさらなる拡大が期待できる。(鈴木正行)