リトアニアのデザインを日本で語る意義 ビジネスパーソンの好奇心も引き出す (1/3ページ)

リトアニア・カウナス工科大学のルータさん
リトアニア・カウナス工科大学のルータさん【拡大】

  • イタリア・ミラノ工科大学のアレッサンドロさん

 【安西洋之のローカリゼーションマップ】「私たちの大学はデザイン学部をもたない工科大学ですが、入学した学生は全員、デザインの単位を取得するのが必須になっています」

 こう話すのは、バルト三国の1つ、リトアニアの第2の都市、カウナスにある工科大学のデザインセンター長のルータだ。

 10月16日、立命館大学東京キャンパスにてカンファレンスが開催された。来年10月21~23日、大阪で開催されるデザインカンファレンス「4D」のプレイベントである。4Dは昨年9月、カウナス工科大学とイタリアのミラノ工科大学の共催ではじまった、デザインに関する国際カンファレンスだ。

 そこでキックオフイベントとして、両大学でデザインを教える2人の先生に東京に来てもらった。冒頭のルータの説明は、リトアニアのデザイン状況や教育についてのプレゼンの一部である。

 最初から裏話をすると、昨年9月にミラノ工科大学でデザインを教えるアレッサンドロに「2回目の開催を先進国として日本で開催するのをアレンジしてくれないか」と打診された時、積極的に即YESとは言えなかった。

 リトアニアという国が日本でほとんど知られておらず、そこが発信するデザインの考え方について話を聞く動機が日本の研究者やビジネスパーソンにあるだろうか、というのが第一の理由だった。「そんな国の大学がはじめたイベントには魅力ない」と言われたら参加者が集まらない。

 欧州に住んでいるぼく自身、リトアニアにまったく関心がなかったのだ。

 もし勝算があるとすれば、既によく語られているイタリアデザインと経済途上国・リトアニアのデザインのコンビの面白さではないかとの勘が働き、つき合いのある立命館大学経営学部のDML(デザインマネジメントラボ)に協力を求めた。

美に対する判断を委ねる社会