「横になると呼吸が苦しくなるため、1カ月も布団で寝ることができず、机に突っ伏して寝ていた患者が、吸入ステロイド薬をきちんと使うことで布団で寝られるようになったこともあります」と東田病院長。うまく吸入できていなければ効果は出ないため、使い方の指導が鍵を握る。
また、症状が治まったからといって薬をやめてしまえば、炎症が悪化し、さらに強い発作が起きやすくなる。高原さんは「症状はなくなりましたが、吸入ステロイド薬は朝晩欠かさず続けています」。東田病院長は「吸入ステロイド薬は妊婦も使える安全な薬で、使い続けても副作用はほとんどない。歯磨きと同じように、予防のために使い続けることが大切」と強調している。
9割が重症「自覚なし」
ぜんそくが重症化している患者の多くが、風邪をひけないことや睡眠不足などをつらく思う一方で、9割に重症との自覚がないことが、製薬会社「アストラゼネカ」の調査で分かった。
昨年12月、日本アレルギー学会のガイドラインで「重症」とされる患者100人を対象に調査。その結果、自分の症状について53%が中等症、36%が軽症と認識。日常生活でつらいことは、「風邪をひけない」(65%)「他の人と同じスピードで歩いたり、階段や坂をのぼったりしにくい」(56%)「夜間や早朝のせきによる睡眠不足」(53%)などが挙がった。