慢性病患者の災害対策 日頃から主治医に相談を (1/2ページ)

稼働中の人工透析装置。人工透析には電気と多量の水を必要とする=大阪市東住吉区の仁真会白鷺病院
稼働中の人工透析装置。人工透析には電気と多量の水を必要とする=大阪市東住吉区の仁真会白鷺病院【拡大】

  • 日本糖尿病協会がウェブサイトで公開中の、インスリン注射が必要な患者向け災害時サポートマニュアル
  • 山川智之常務理事

 今年は日本列島の各地で地震や台風、豪雨など自然災害が相次ぎ、多くの住民が避難を余儀なくされた。そんなとき、人工透析に通う腎不全患者、日々の服薬や注射が欠かせない糖尿病患者はどう対処したらいいのか。専門家は、患者が自身の病状や薬剤を理解して、避難時はお薬手帳を忘れずに持ち出し、日頃から万一の際の対処方法を主治医に相談しておくことを勧めている。

 ◆電気と水が必須

 血液中の老廃物を濾過(ろか)して、尿として体外に排出する機能を持つ腎臓。腎臓の機能が衰えると、その役割を代替する人工透析が必要になってくる。

 透析患者は、一般的に週3回の透析で血液中の老廃物などを除去する必要があり、受けられないと生命に関わる。9月の北海道地震では、全域停電により一部の病院で人工透析ができなくなった。

 大阪市東住吉区の仁真会白鷺病院にも多くの透析患者が通う。病院理事長の山川智之日本透析医会常務理事によると、標準的な1回4時間の人工透析では、機械を動かし続ける電気と、1人最低120リットルの水を必要とする。いつもの透析病院が被災して透析できなかったり遠方に避難したりした場合は、別の病院に行く必要がある。

 平成12年、「日本透析医会災害時情報ネットワーク」のウェブサイトが開設され、病院が被災情報を書き込めるようになった。

 その後、メーリングリストも設けられ、国や自治体、医療機関同士で情報交換する仕組みも整った。情報共有の必要性が知られるようになった今では、年1回の災害対策訓練に全国4千余の透析施設の約半数が参加するまでになった。

 ◆周囲も配慮を

 山川さんは「避難後にまず透析病院に連絡を」と強調する。被災で透析できない場合は、他の病院に依頼するなど患者が透析を受けられる手だてを講じる。

 だが、病院側が自宅を離れている避難患者を探し出すのは難しい。避難先に落ち着いたらまず透析病院に連絡を取り、指示を受けてほしいという。

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