現在、サイバーエージェントでは内定者の半数程度が同社のインターンシップを経験している。「1~2カ月の就業型インターンを経験してもらう中で、学生のエンジニアとしての技術力やコミュニケーション能力を社員が見極める」(長瀬さん)。この時の評価が入社後の人事査定に大きく影響する。
実際に入社した新卒社員からの反応は上々のようだ。江頭宏亮さん(26)は芝浦工業大学大学院の修士課程を卒業後、18年4月にエンジニアとしてサイバーエージェントに入社した。同社の一律初任給の廃止制度を最初に経験する世代に当たる。
「エンジニアが会社を選ぶ時代」
大学院1年生の時に同社の短期のインターンシップを経験したことがきっかけで入社することに。「社員の人と話していて人柄や技術力にひかれた。何より、年功序列が無いことが大きかった」(江頭さん)。入社後はエンジニアの即戦力として活躍し、わずか半年の間に等級が上がった。「サービスをちょっと使いやすくする地味な担当なのに、会社はきちんと見てくれているのがうれしい」。
江頭さんは入社前の働きぶりについても大きく評価されていた。内定後に同社傘下のAbemaTVで、動画サービスのシステムを改善する担当としてアルバイトをしていた。もともと技術力や業務遂行能力に定評があり、入社時には既に高めの評価をもらっていたという。「努力して実力を付ければ評価される制度。自分はやりがいを感じられる」と語る。
長瀬さんによると、サイバーエージェントがこの給与制度を採ったのは江頭さんのような優秀なエンジニアの採用強化が狙い。「超売り手市場の今、会社がエンジニアを選ぶのではなくエンジニアの方が選ぶ時代になっている。今後もこの流れは加速していく」。
加えて特に最近の若いエンジニアは、SNSや業界の勉強会を通じていろいろな会社から転職のオファーがよく来るという。「若いエンジニアは年収をとても意識している。たとえ学生であっても、既に高い能力を持っている人に報いないのはおかしいと考えた」(長瀬さん)。
「新卒を1000万円待遇にする可能性も」
DMMも19年4月入社のエンジニアの新入社員について一律初任給を撤廃する。年収は最低408万円と規定しているが、人事部長の林英治郎さんによると「実は天井は定めていない。現実にはまだいないが、1000万円もらっているうちの社員と同じ実力の学生が現れれば同じ待遇にするだろう」。