【ゆうゆうLife】外国人への社会保障 原則は同じ扱い 公平な制度設計が課題 (1/2ページ)

働く外国人への合理的で適正な医療や年金の仕組みが課題だ
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 外国人労働者の受け入れを拡大する「改正出入国管理法」が今月、成立したのを機に、日本の社会保障が見直しを迫られている。社会保障は「日本人も外国人も同じ扱い」が原則だが、海外に住む親族もカバーする医療や、長期加入が前提の年金をどうするのか。公平で合理的な設計が求められる。(佐藤好美)

                   

 日本で雇われて働く外国人は、働く時間や事業所の規模で加入する健康保険や年金制度が決まる。それは日本人と同じ扱いで、国籍による利用制限などはない。社会保障制度に詳しい中央大学の新田秀樹教授は、「日本は難民条約を批准しており、社会保障の扱いは内外無差別(日本人も外国人も同じ)が原則」と指摘する。

健康保険

 企業に勤めてその会社の健康保険に加入すると、収入に応じた保険料を納める。日本人も外国人も、収入が同じなら同じ保険料。受けるサービスも同じだ。その人に扶養される妻や子供、親など(被扶養親族)も、申請次第で健康保険が適用になる。国籍や居住地の規定はないので海外在住の親族も対象だ。

 課題になっているのは、「外国人の親族が病気治療で来日し、高額医療を利用して帰る」などのケース。また、海外での病気やけがには、申請すれば、治療費にあたる「海外療養費」が払い戻される。ただ、その人が本当に扶養されている親族かどうか確認は難しい。改正入管法の成立で改めて運用が疑問視されている。

 政府は「国籍」ではなく、「居住地」の要件を設け、海外在住の親族を被扶養の対象から外す方針だ。

 ただ、内外無差別の原則通りなら、語学留学中の日本人の子弟や、海外赴任に同行する家族も対象から外れることになる。自民党のワーキンググループは、「一定の例外を設ける」よう求めている。公平で合理的な制度設計ができるか、注目される。

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