【知ってる!?】ジビエの有効活用(1) 農作物被害防止など“一石三鳥”

 「ジビエ」は、狩猟によって得られたシカやイノシシといった野生鳥獣の天然の食肉を意味するフランス語で、欧州ではジビエ料理が食文化として発展してきた。日本でも古くから各地で食されている。国内では、野生鳥獣が農作物などを食い荒らす被害が深刻化しており、その対策として捕獲された野生鳥獣をジビエとして有効活用することが課題となっている。

 農林水産省鳥獣対策室によると、農作物の被害額は平成29年度で164億円に上る。被害は農家の意欲を減退させ、耕作地放棄や離農の原因になっているという。森林や希少植物の被害も深刻だ。被害防止のため、捕獲頭数は大幅に増加しており、28年はシカが58万頭、イノシシが62万頭に上る。一方で、全国に約590カ所ある処理加工施設で解体され、ジビエとして利用された割合は約7%にとどまる。大半が焼却・埋却処理されており、費用負担が自治体の負担になっている。

 このため、農水省としてもジビエの普及拡大に取り組んでおり、その一環として今月10日から来年2月10日まで、外食業界団体である日本フードサービス協会が飲食店などでジビエ料理を提供する「全国ジビエフェア」を開催。同協会は「ジビエは高タンパク低カロリーな食材で、有効活用すれば被害防止に加え、地方の活性化にもつながる」と、“一石三鳥”のメリットを強調する。(協力・日本フードサービス協会)