カメ止め製作費の一部も
昨年大ヒットしたゾンビ映画「カメラを止めるな!」の製作費の一部も、大手サイト「モーションギャラリー」を通じて集められた。同社の大高健志社長は「支援者にとって、作品やまちづくりを通じて起案者と一緒に社会をつくる楽しみがあるのが魅力」と語る。
自治体の“参戦”も増える。福井県鯖江市は26年に購入型のサイト運営をスタート。地場産業の眼鏡のフレーム開発や伝承料理のレシピ本印刷など市民が企画した30以上のプロジェクトを実現させた。市の担当者は「自治体の予算が限られる中で、アイデアや夢を持つ市民を応援できる環境づくりができた」と喜ぶ。
富士通総研経済研究所の渡辺優子上級研究員は「大企業もマーケティングの手法として利用しているほか、施策のPRとして使う自治体もあり、今後もさらに用途が拡大していくだろう」と指摘する。
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■新食品の商品化に活用 ミツカン
ミツカン(愛知県半田市)は、普段捨てられている野菜の皮や芯を利用した食品の商品化を計画している。環境負荷を減らし、食物繊維やポリフェノールを摂取できるという。インターネット上で資金を募るクラウドファンディングを活用し、出資者に試作品を提供して意見を聞いており、今年3月の市販を目指す。
トウモロコシとビーツをそれぞれ芯や皮まで細かくつぶし、雑穀やナッツ、果汁を加えたスティック状の2種類はおやつとして食べられる。
トウモロコシとビーツ、枝豆をそれぞれつぶしてオリーブ油を混ぜたペースト3種類も用意した。アイスクリームにかけたり、ドレッシングの材料にしたりするのがお勧めという。出資は1口3000円から1万円で、金額に応じて提供する数や組み合わせが異なる。
ミツカンは「野菜不足に悩む忙しい現代人のライフスタイルに合わせ、無理せず食べられる」としている。出資受け付けはクラウドファンディング運営会社「マクアケ」のサイトまで。