パーソル総合研究所と中央大は、平成42年に644万人の人手が不足し、うち163万人をシニア▽102万人を女性▽81万人を外国人労働者▽残りをデジタル革新による生産性向上-で対応できるとする推計をまとめた。内閣府の30年版高齢社会白書でも、仕事をしている60歳以上の約8割が「70歳以上まで働きたい」、約4割が「働けるうちはいつまでも」と回答、シニアの就業意欲は高い。
需要と供給は見合っているものの、シニアの求人は「単純労働」「低賃金」が中心で、キャリアを生かせる仕事が少ない現実がある。こうしたミスマッチを解消し、社会的要請に応える方法が、人手不足の影響が事業展開や黒字廃業にまで及んでいる中小企業での人材活用だ。
中小企業の人手不足の状況は年々深刻さを増しており、日本商工会議所の三村明夫会頭は「シニア、女性、外国人労働者と、人材資源を最大限活用しないと日本は成長できない。意欲、能力のある元気なシニアはたくさんいる。柔軟な働き方を制度設計し、社会全体で中小の雇用につなげていくのが好ましい」と強調する。
パーソル総研によれば、シニア予備軍であるバブル経済期入社組の40代後半から50代前半は、「大企業の大量採用で中小企業が新卒を全然取れなかった世代」で、中小企業の事業承継や経営者の片腕になるベテラン人材としての期待が高い。転職先で嫌われない「かわいいシニア」になることも大事だが、専門性と課題解決能力を持った即戦力となる人材が、第二新卒並みに求められるようになってきた。
現役世代と違い、働き方の自由度は高い。景気動向によっては、活況が続いている転職市場が冷え込む可能性もあるが、マイナビの山田周右ミドルシニアマガジン編集長は「元の会社に残るのが嫌ならば、再雇用にこだわらなくたっていい。ライフプランを立てて、必要な年収に応じてやりたい仕事を選べばいい」とアドバイスする。