正社員にこだわらなくても、キャリアを生かす「顧問」派遣サービスに登録したり、複数の会社で働いたり、趣味のスポーツや芸術分野に身を置いたりすることもできる。顧客の年齢層が高いサービス分野では、シニアの方が優位性も高まる。「60歳になるから」「65歳になったら」では求人の選択肢も狭まるため、一時的に年収が下がっても、50代のうちに定年制のない企業を選ぶなど、生涯年収で取り戻す道も選択の一つだ。
「70歳までの就業機会確保」に向けて今後、法整備が進むが、人材の流動性を高める方策も急務だ。中小企業の求人は、人材サービス会社に支払う報酬が負担だったり、人材会社側も、求人頻度や規模が小さい中小企業はリピーターとしてうま味がなかったりすることがネックだった。
だが、「ビッグデータの活用でマッチングの効率性が飛躍的に向上」(日本総研の山田氏)し、コスト面の改善も見込めるようになった。中小企業は日本の産業構造を支えるだけでなく地域の担い手であり、地方自治体や地域の商工会議所が支援体制を整え、大企業から中小企業への人の流れをつくることが重要だ。