サッカー観戦の醍醐味は、ピッチで戦う選手と同じ気持ちになった応援。勝利には惜しみない拍手を送るのはもちろん、劣勢でも声を上げ、飛び跳ねながら選手を鼓舞する。1試合90分、これを続けるのはちょっとした、いや、かなりハードな運動である。試合が終わるころには汗をかき、喉はカラカラだ。安全上の理由などでペットボトル持ち込み禁止のスタジアムもあるようだが、東京都調布市の味の素スタジアム(味スタ)で行われるJ1リーグ・FC東京のホームゲームではペットボトル飲料の持ち込みが許可されている。
FC東京のホームゲームには、多いときで4万人を超える観衆が集まる。消費されるペットボトル飲料もかなりの量だ。そこで来場者に徹底したゴミの分別を呼びかけ、資源として再利用しているのが、FC東京と帝人フロンティアが2017年から取り組んでいる「ECOパスプロジェクト in 味スタ」である。
帝人フロンティアは、衣料から産業資材までの幅広い用途でリサイクルをはじめとする地球環境に優しい活動を実践している。一方のFC東京は、調布市はじめ東京都全域をホームタウンとして社会連携活動を行っている。両者の方針が一致したかっこうだ。
使用済みペットボトルの再利用では、食品パックやかばん、衣類のフリース素材などを作ることが一般的だが、FC東京では関連グッズなどにも使っている。中でも、都葛飾福祉工場に縫製を依頼した「ECOパスバッグ」はファン・サポーターに人気が高く、17、18年とも完売。また、18年にクラブ創設20周年記念で作った金色のユニフォームの素材にもペットボトルのリサイクル素材が一部使用された。
試合が開催される春から年末までに6トンのペットボトル回収をめざしており、17年は約5・6トン、18年には約5・9トンとなり、目標達成は目前だ。公式サイト内で常に回収量をグラフ化したり、スタジアムで選手入場の際に使用されるボール置台の表示で目標の何割に到したかがわかるようにしたり、と観客に関心を持ってもらう工夫をこらしている。19年は3月10日のサガン鳥栖戦でホームゲームが開幕するが、今年も「ECOパスプロジェクト in 味スタ」は継続する予定だ。ファン・サポーターの汗と声援が増えれば増えるほど、回収されるペットボトルの量も増える。熱い試合とともに、地球環境への思いがファン・サポーターを繋いでいく。
【サスティナブル】
1992年の第1回地球環境サミットで初めて提唱された「持続可能な発展」という考え方。以後、国や産業の発展には自然環境への配慮が不可欠であることが世界的に広く浸透している。本コラムでは、サスティナブルな社会を目指す日本各地の取り組みを紹介する。
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みやもと・ゆみこ 元FM石川アナウンサー、ラジオDJ、研修講師。音楽・スポーツ・ビジネスなど幅広いジャンルのライターとしても活動中。
【局アナnet】 2004年に創設された、全国の局アナ経験者が登録するネットワークサイト。報道記者やディレクターを兼ねたアナウンサーが多く、映像・音声コンテンツの制作サービスを行っている。自社メディア「Local Topics Japan」(http://lt-j.com/)で地方のトピックス動画を海外向けに配信中。