今、アマゾンをみると、出版社からの説明がある。以下だ。
“日常生活のおつきあいについて、日本の伝統や正しいしきたりを教えるマニュアルはすでにたくさんある。けれども、それらのしきたりと私たちの日常感覚がずれはじめていて、日々の具体的な悩みにすっきりと答えてくれなくなってきた。かといって、自分なりに好きに振舞えば済むのか、というと、そうでもない。(後略)。”
前々から日本の古くからの流儀へ窮屈さを感じていたぼくは、この本を新しいライフスタイルの提案として読んだ。
しかしながら、残念なことにあまり売れなかったらしい。というのも40歳の辰巳さんが日本の作法を説く、という構図が受けなかったようだ。もっと年齢の上の女性がカバーすべき話題と思われていたのだろう。
一方、遺作となった『あなたがひとりで生きていく時に知っておいてほしいことーひとり暮らしの智恵と技術』における文章は、50代前半という年齢に相応しく、とても説得力がある。親が子どもの成長のどこをみればよいのか、という助けにもなる。他に何を願えばいいのかと思うほどに愛情に溢れている。
この本は実家を離れたばかりの20代の子どもだけでなく、生活者である誰もが読める。自立の術を考えなくてもよい人はこの世に稀だ、ということを気づかせてくれる。そして、歳を重ねて得てきた経験はまんざらではないとの自信も持たせてくれるのだ。
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