
損保ジャパン日本興亜が行った高層ビルの安全確認の実証実験【拡大】
一方、SNSは災害の際、デマや流言が飛び交う問題も指摘されている。昨年9月の北海道地震の際も、本震の後に「大きい地震が来る可能性が高い」などとする情報が流れ、自治体は情報を否定した上で冷静な行動を呼びかけた。
立正大心理学部の西田公昭教授は、人が右往左往する様子を楽しむ愉快犯が最初に発するとしても、「その情報の真偽を確認したい人がシェア機能を使って拡散するので広まってしまう」と指摘する。「確認できない不確実な情報は拡散しないと心がけておくことが重要」と話している。
マンネリ打破
防災訓練の役割は重要だが、訓練を重ねるうちにマンネリ化しがちだ。そんな時、VRを活用して煙や家具転倒の怖さを疑似体験すると、意識が高まることが期待できる。
東京消防庁は専用車を開発し、啓発に取り組む。8人まで参加できる「VR防災体験車」を開発。115インチ大画面で地震と火災、風水害を疑似体験し、何らかの対策が必要だと実感できる。昨年4月から運用を開始し、年末までに都内各地の防災訓練などに出向き約4万8千人が体験した。「本当にリアルで怖かった」「家庭での備えを見直したい」など意識の向上に役立っている。