記事や漫画を分かりやすく、知的障害を支えるバリアフリーの取り組み (2/3ページ)

通常の漫画でよく使われる擬態語や顔の縦線が描かれた一コマ(上)と、知的障害者向けにシンプルに作り替えたコマ(下)(樹村房提供)
通常の漫画でよく使われる擬態語や顔の縦線が描かれた一コマ(上)と、知的障害者向けにシンプルに作り替えたコマ(下)(樹村房提供)【拡大】

  • 一般社団法人「スローコミュニケーション」が知的障害者向けに発行するニュース
  • 知的障害者向けに制作した「LLマンガ」を示す吉村和真教授

 当事者の立場で活動に加わる小池美希さん(46)は、「普通のニュースや新聞記事は難しくて分からない。周りの人から『こういうニュースがあったね』と言われても、話についていけないので悲しい。分かりやすい情報をもっと増やしてくれたら」と訴える。

 スローコミュニケーションの活動に協力したり、知的障害者向けの文書を作ったりしているのが横浜市だ。障害福祉の事業計画をやさしい言葉で説明したパンフレットを発行したほか、理解しやすい行政手続きの申請書を作ることも検討中だ。担当者は「平成28年に障害者差別解消法が施行されたことを踏まえ、今後も取り組みを充実させたい」と話す。

 記号表現を控えて

 漫画を作り替える試みもある。「『漫画なら分かりやすいだろう』と思われがちだが、それは違う」と言うのは京都精華大マンガ学部の吉村和真教授。登場人物の困惑を表す顔の縦線といった記号や、コマの順番など実は複雑な法則があり、読み手側に理解力があることを前提に描かれているからだ。

 吉村教授が他の研究者らとつくるグループは、知的障害者向けにコマの構成を単純にして記号表現を控えるなどした漫画2つを制作した。これらの作品や描き方の手引を収録した「LLマンガへの招待」(樹村房)を昨年出版した。LLは「易しく読める」を意味するスウェーデン語の略語だ。

「公的な財政支援が必要」