5時から作家塾

オランダで「かわいいお菓子」がレアな理由 「不健康な」食品から子どもを守るための広告規制 (5/5ページ)

ステレンフェルト幸子

 例外として大きな顔をしてお菓子の上に鎮座している「有名キャラクター」は、独ハリボー社のゴールデンベア(もしくはグミベア)や、米マース社の「M&M’s」が擬人化された例のキャラクター(スポークスキャンディーズ)など、商品オリジナルのキャラクターたち。まあこれは、特にそのキャラクターが印刷されていることが子どもの購買欲をそそるという種類のものでもないのでセーフなのだろう。HARIBOの熊が好きで好きで、という子どもなど見たこともない。

 その他、子どもの食健全化プログラム

 オランダでは他にも、2010年に決定されたEUの「学校フルーツプロジェクト」を受ける形で、政府が全国数千の小学校に週3回無料でフルーツを配布している。大手スーパーにも必ず子どもが自由に食べてもいいフルーツが置いてあり、要するに国を挙げてお菓子の代わりにフルーツを食べることを推進している。

 もちろん子どもの健康を思えばお菓子よりフルーツを食べさせたいのは私だって同じだが、一方で自分の大好きなキャラクターのついたおいしいお菓子を手にした時の子どもの笑顔はプライスレスだ。帰国するたびに戦隊やポケモンやマリオ、キティちゃんやプリキュアなどのお菓子を爆買いしてしまう海外在住者は、私だけではあるまい。

 ちなみに当然の流れとしてそれをお土産としてあげると、オランダの子どもは間違いなく「こんなの見たことない!」と狂喜乱舞する。今年も日本から帰ったらかわいくておいしいお菓子を配りながら、「日本にはこういうのいっぱいあるよ~」と地味すぎる祖国のPR活動をする予定だ。(ステレンフェルト幸子/5時から作家塾(R)

 《5時から作家塾(R)》 1999年1月、著者デビュー志願者を支援することを目的に、書籍プロデューサー、ライター、ISEZE_BOOKへの書評寄稿者などから成るグループとして発足。その後、現在の代表である吉田克己の独立・起業に伴い、2002年4月にNPO法人化。現在は、Webサイトのコーナー企画、コンテンツ提供、原稿執筆など、編集ディレクター&ライター集団として活動中。

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