いっしょに

(上)地域食堂「なつかしの家」 「おいしい」が励みに (1/2ページ)

 年齢を重ね、体が弱ってきたら、支えてくれるのは医療や介護といった公的サービスだ。でも、それだけでは暮らせない。食事に美容、買い物…。生活はたくさんの“些事(さじ)”と、少しばかりの楽しみでできている。ちょっとした手助けがあれば、誰もが住みやすい「まち」ができそうだ。生活に彩りを添えることだって、命に伴走することだって、人と暮らしのそばには、いろんな仕事や働き方がある。いっしょに、寄り添って、まちをつくる。そんなありようを届けたい。

 岩手山に抱かれるように田園地帯が広がる。岩手県八幡平(はちまんたい)市にある「古民家食堂 なつかしの家」。木の看板がかかった築100年の古民家には、昼時になると近所の住民が次々と訪れる。人気はメイン料理に、野菜のあえ物や煮物の小鉢がついた「日替わりランチ」(650円)だ。

 建物は今年4月、デイサービスから地域食堂に“衣替え”したばかり。月曜から土曜まで、3人の女性スタッフが調理や配膳(はいぜん)、後片付けを担当している。

 「お客さまから『おいしい』『この前食べたメニューをまた食べたい』と言われると励みになります」

 メニューを考え、調理も担当する阿部多恵子さん(50)は話す。調理師免許を持ち、病院の食事やスーパーの総菜を作ってきたが、「レシピ通りではなく、自分でメニューを考えて作るのは初めての経験」という。

 ◆取れたて野菜で

 スーパーに勤めていたときの同僚に誘われ、デイサービスだった当時の施設で働き始めた。最初はパートとして1日数時間、調理だけでなく、施設のイベントを盛り上げたり、利用者のトイレ介助をしたりしていた。2人の子供が手を離れ、「正社員になってもっと長く働きたい」と考えていたとき、施設を運営していた「里・つむぎ八幡平」の高橋和人理事長から、「調理を任せる」と言われ、正社員になった。

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