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数夜限定の晩餐「ダイニングアウト」の魅力 それは一期一会の贅沢な体験 (1/4ページ)

SankeiBiz編集部
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 日本のどこかで数日だけ開店するプレミアムな野外レストランがあるという。その名も「DINING OUT(ダイニングアウト)」。今回の舞台は16回目にして東北初開催となる青森県の浅虫温泉。7月某日、40名の参加者たちはこの日のスケジュールを一切知らされないまま青森空港に到着した。「このあと、どこでどんな体験が待っているのだろうか」-。期待と緊張が交錯する中、迎えの車に乗り込んだ。(文・大竹信生/SankeiBiz編集部)

 青森のアート精神をめぐる旅

 「緑が青々として色鮮やかですね。だから『青森』っていうんですかね…?」

 後席の窓から自然豊かな景色を眺めながら、青森県出身の運転手さんと会話を楽しむこと約30分。送迎車が、真っ白いモダンな建物の裏手にある車寄せに停車した。そこにはすでに、シャンパングラスを片手に談笑する先客の姿がある。その後も続々と車が乗りつけては、様々な装いの男女を降ろしていく。気づけば20台超のレクサスが駐車場を占拠するという、何とも圧巻の光景が広がっていた。

 ここは青森市内に2006年にオープンした青森県立美術館。実は筆者は午前中から八甲田山周辺でドライブを楽しんだ後に、浅虫温泉のホテルから美術館までレクサスで送ってもらったのだが、ここに集まった大半のゲストは、青森空港から送迎車に乗ってレセプション会場となる美術館までやって来たのだ。

 我々を出迎えてくれたのは、今回のダイニングアウトのホスト役で米国出身の東洋文化研究家、アレックス・カー氏。彼のウエルカムスピーチに耳を傾け、乾杯を終えると、一行は美術館の中へと案内された。

 なぜ食を楽しむイベントで芸術鑑賞をするのか-。その理由は、今回のダイニングアウトが「Journey of Aomori Artistic Soul」というテーマを設定しているからだ。青森県は日本を代表する版画家の棟方志功、小説家の太宰治、写真家の小島一郎、画家の奈良美智など、多くの芸術家を輩出している。私たちは、この土地に宿る独特の芸術的感性に触れる旅に招待されたのだ。そんな旅の始まりを正式に告げる場として、大小さまざまな作品を所蔵する県立美術館を選んだのも頷ける。

 ここには棟方志功や奈良美智の作品はもちろん、マルク・シャガールの「アレコ」全4作品を展示するなど、ジャンルを超えた個性的な展示物で来場者の目を楽しませる。個人的にはライトアップされたガラス工芸から放たれるカラフルな光線に圧倒され、目が釘付けになった。そして恥ずかしながら「この作品でいくらぐらいするのだろう」と思わず値札が付いていないか確認してしまった。

 ほどよく感性を刺激されると、再び送迎車に乗り込んだ。次の目的地はいよいよ、浅虫温泉の“どこか”で我々の到着を待っているディナー会場のようだ。一体どのような場所なのだろうか-。心地よい波音が漂う浜辺、ランタンの明かりが点々と燈るキャンプ場、はたまた高級老舗旅館の屋上…。勝手な想像で描いた会場のイメージが、頭の中をスライドする。

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