教育・子育て

東大に行けとは言わない開成高校がなぜ、「東大合格日本一」なのか (3/4ページ)

 「ボートの応援指導だといって、屈強な3年生たちがいきなり、ドカドカと教室に入ってきた。高校生には見えないような大きな人たちでしたが、彼らから怒鳴られ、脅かされながら、一生懸命に応援歌を歌ったのを覚えています。強烈でした」。とはいえ、岸田氏はすぐに硬式野球部に入部。東東京ブロックは、早実や帝京といった強豪校がひしめく激戦地区。遥(はる)かなる甲子園への出場を目指し、白球を追う日々を重ねる。「ポジションはセカンド、またはショート。他の学校よりレベルは低かったかもしれませんが、一所懸命やりました」。

 育てたいのは学力ではなく「自主性」

 開成中学校・高等学校校長で東大名誉教授でもある柳沢幸雄氏(67年卒)は、次のように語る。

 「息子を東大に入れたいと願う親御さんから、『(大学受験に対し)これほど面倒見の悪い学校はないのでは』と指摘されることもあります。しかし、開成は予備校のように受験指導したりはしません。わが校は『開物成務(かいぶつせいむ)』という理念を掲げ、目指すは、人間性の開拓・啓発です。勉強するもしないも、生徒の自由。自主性の中に、本来の知性が育まれると思うのです」

 「だから、うちには『君は東大に行きなさい』と言う教師はいません。しかし、そうやって生徒の自主性に任せながらも、大抵の生徒は、高3の5月、運動会が終わってから受験勉強を始めます。そして、翌年には東大などの大学に入学する。これを後輩たちは見ていて、『棒倒しで大暴れしたあの人もできたなら、自分もやれるだろう』と後に続くのです。もちろん教師も、相談に来れば丁寧に指導します。年に二度、生徒にアンケートを取るのですが、学校に対する満足度は高く、中退者がほとんど出ないのも開成学園の特徴です」

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