日本の議論

参院選の年金論争 「最低保障の強化が必要」、「経済成長で自助環境を」 (2/4ページ)

 --どのような改革が必要か

 「金融庁の報告書に出てくる年金が20万円程度あるようなモデル夫婦世帯は自助努力でいい。だが、夫婦ともに基礎年金だけの世帯や、未婚で年金の少ない単身者は自助努力ではカバーできない。基礎年金には最低保障的な機能をもたせ、あとは自助努力でやるというような制度改正の議論がなされるべきだった。国民が年金や社会保障が不安だとおもうのは、政治が言葉にしないからだ」

 --具体的な制度設計は

 「日本の基礎年金は長く払った人が多くもらえる社会保険方式なので、貧困対策としては効率的でない。スウェーデンのような最低保障年金にするか、カナダのように老後所得の少ない人に補完してやる方が効率的だ。スウェーデンは夫婦か単身かで違うが9万円ぐらいもらえ、100%税で賄う」

 --消費税増税が必要になる

 「税金を上げる分、国民年金保険料を払わなくていいし、厚生年金保険料も下がる。厚生年金保険料の半分は企業負担なので企業が楽になる分は賃金に上乗せすればいい。ただ、与党も野党も社会保障のグランドデザインを描ける人がいないのではないか。役所の入れ知恵でなく、改革のメニューをきちっと出し、コストがどのくらいかかるか、国民に嫌がられても丹念に説明する人がいないと日本の未来は厳しい」

(田村龍彦)

 にしざわ・かずひこ 昭和40年、東京都生まれ。一橋大社会学部卒。三井銀行(現三井住友銀行)入行。平成10年、さくら総合研究所(現日本総合研究所)に移り、28年から現職。専門は社会保障制度。

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