竹中氏「経済成長で自助環境を」
--参院選では年金問題が争点の1つとなった
「この問題が紛糾するきっかけとなったのは95歳まで生きるには、夫婦で2千万円の蓄えが必要とした金融庁金融審議会の報告書だ。私はいろいろな講演会で『2千万円という数字に驚いたか』と尋ねてみたが、9割以上の聴衆は驚かないとの答えだった。日本の年金制度は本来、年金だけで全てを賄えるような制度設計にはなっていないことを多くの国民が知っているからだ。もちろん、今の年金制度の改善も必要だ。参院選ではこの点を論じるべきだったが、あまり議論は深まらなかった」
--論戦が低調だった理由は
「野党が対案を示さなかったからだ。野党は、マクロ経済スライドで年金制度は『100年安心』になったという政府の主張を批判してきたが、今の年金制度で安心ができないというのならば、増税や保険料負担の引き上げで北欧型の社会福祉国家を目指すなどの提案をすべきだった。しかし、現状への不平不満ばかりで議論にふたをしてしまった」
--老後の資産形成のために国民の自助努力も必要か
「昭和期には住宅と土地を購入すれば右肩上がりで価格が上昇し、老後はそれを貸したり、売ったりすれば暮らしていくことができた。日本人は資産形成を考えずに済み、『土地神話』が残った。米国などで一般的な経済やマネーに関する教育はほとんど行われず、資産形成の意識が日本人は身についていない。公的年金が不足しているのであれば、個人年金に入るなど自助が重要だ」