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1.5Lの兄貴分 スズキ・ジムニーシエラ、不変の設計理念に見る進化 (2/4ページ)

SankeiBiz編集部

 高い走破性を実現するための基本構造

 ラダーフレームとは長いはしご状のフレームを基本骨格とし、その上にボディーを乗せる構造だ。ボディーとシャシーが一体化した主流のモノコック構造よりも車台だけ見れば一般的に頑丈とされ、フレームさえ無事であれば足回りに余程のダメージがない限り走行できる。悪路走行を最重視する本格オフローダーにとって圧倒的に有利な構造であり、トヨタ・ランドクルーザーやメルセデス・ベンツGクラス、ジープといった“猛者”も採用している。

 左右の車輪を1本の軸で真一文字につなぐリジッドアクスル式サスペンションは、一般的な独立懸架式サスペンションよりも乗り心地で劣るものの、凹凸路において抜群の接地性を発揮する。また、地面に対するクリアランスも確保できるため(左右独立タイプではシャシーが沈んでしまう)、腹が地面に乗り上げてカメのように動けなくなるということもなくなる。

 駆動システムは初代から一貫してパートタイム4WDを採用しており、副変速機を用いて「2H(2WD)」「4H(4WD高速)」「4L(4WD低速)」の3モードを走行シーンに応じて任意に切り替えることができる。ちなみに余程の悪路を走らない限り、メーカー側は2WDでの走行を推奨している。ドライでの通常走行時に4WDを使用すると駆動装置を損傷する恐れがあるためだ。それぞれのモードの特徴は以下の通りである。

■2H(2WD)=舗装路・高速道路など通常の走行に使用

■4H(4WD高速)=雪道・荒地など2輪駆動での走行が困難な場合に使用

■4L(4WD低速)=ぬかるんだ道や急登坂・急こう配など大きな駆動力を必要とする場合や、スタックからの脱出時などに使用

 筆者は過去に傾斜を伴う泥状のスタックから抜け出せずレッカーのお世話になった経験があるだけに、副変速機を備えているだけで心強い。また、後輪を駆動するFRレイアウトは、縦置きエンジンを前輪より後方に配置することで鼻先を短くし、凹凸を乗り越える時に有効な41°の対障害角度(アプローチアングル)を確保している。すべての機能が実践的で、どんなに険しい道も突き進むことのできる走破性を極めるための装備なのだ。

 シーンを問わず運転しやすい小型ボディーは、多方面から「とにかくコンパクトさを維持してほしい」といった要望が多いという。スズキは国内外のハンターや森林組合などのジムニーユーザーに調査をしており、「例えばイタリアの山岳地帯では狭くて急な坂道が多く、冬季の路面コンディションに対してジムニーのコンパクトさと本格4WD性能が求められていることが分かりました」(スズキ広報部)といった現場の貴重な意見をしっかりと車両開発に生かしてきたのだ。

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