ドアの開閉だけで感動
だが、V型8気筒でも、快適性は見劣りしない。電気モーターの無音無振動スタートは、快適でないわけがない。スムーズな発進加速は、まさに後席でくつろぐVIPに喜ばれるにちがいない。
とにかく、滑らかである。例えば乗り込む時に既に、ドアの開け閉めのその感覚が滑らかなのである、ドアノブを引く、その引き心地が、一般的に語られる高級モデルを嘲笑うかのごときレベルに達している。小指でスッと引くだけで、軽くドアが開こうとする。それでいてけして軽々しくはない。適度な重厚感を伴ってVIPをエスコートするのである。
ドアの開閉のそのタッチだけにこれほど感動したのは初めてである。ドアラッチとの噛み込みなどが、一台一台丁寧に手作業よってなされている。だからこその閉まり心地であり開け心地なのである。ドアの開け閉めをベルボーイにさせておくのはもったいないとさえ思えた。
そんなだから、静粛性も驚くばかりだ。無音の音響スタジオにいるかのよう。遮音材や発泡材が贅沢に使われているようで、車内はいたって静かなのだ。車内とエンジンルームとの隔壁には、エンジン音を遮断するダッシュサイレンサーが貼り込まれているばかりか、フロアから伝わるノイズをカットするアルファルシートが貼られている。それだけにむしろ、ウインカー作動時の「カチ、カチ、カチ…」が意識させられてしまうほどに静かなのだ。静か過ぎなのではないだろうか…と思えるほど静粛性が高いのである。