◆共通点はサトイモ
芋煮会の魅力を全国に伝える活動をしている「全日本芋煮会同好会」の調査によると、ベースとなる味付けにはしょうゆやみそを使用することが多く、中には塩もあるという。さらに具材の肉にも牛肉や豚肉、馬肉といった違いがあるほか、豆腐や大根を入れたりするなど、そのバリエーションは家庭や地域によって豊か。共通点はサトイモを使用することだ。
こうした違いはツイッター上でも注目され、ちょっとした“論争”となることも。
東北地方出身のユーザーを中心に毎年、「#芋煮戦争」というハッシュタグで、芋煮を愛する気持ちを語ったり、どの味付けが本流かを争ったりする議論が白熱する。
同会代表で山形県出身の会社員、黒沼篤さん(49)は「#芋煮戦争」の議論について、「最終的にはお互いの違いを認め合い、尊重し合う気持ちがあるからこそではないか」と推し量る。
黒沼さんが同会を設立したのは平成24年。東日本大震災の復興支援に携わる中で、住民同士が一緒に取り組むことができる芋煮会が、地域のコミュニティーづくりに有効だと気づいたことがきっかけだという。だからこそ、同会が大切にしているのは「みんなで持ち寄って一緒に作り、シェアする」こと。黒沼さんは「芋煮会を全国に広めて、日本を元気にしたい」と力を込めた。