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サウナの本場フィンランド大使館の“聖域”に潜入 日本の茶の湯と共通点? (1/2ページ)

 東京・麻布のフィンランド大使館にはサウナがある-。以前からサウナー(サウナ愛好者)の間で噂になっており、ぜひ入ってみたいと思っていた。そんな折、各地で順時公開中のフィンランド映画「サウナのあるところ」の取材にかこつけ、このサウナでの入浴に成功。独自進化中の日本版サウナとは異なる本場感を体験しつつ、現地のサウナ文化にまつわる話を聞いた。(本間英士)

室内は“森の香り”

 茶室ほどの広さに成人男性が6人。「人生最高のサウナ体験」などサウナ談義に花が咲き、会話が途切れたときは水が蒸発する「ジュワ…」という音だけが響く-。結論から言うと、このサウナは最高だった。

 「ここはフィンランド大使館の“サンクチュアリ(聖域)”です」。同大使館のマルクス・コッコ参事官はこう表現する。

 同大使館には大使用と職員用のサウナがある。今回入浴したのは大使用のサウナ。今春リニューアルされたばかりで新しく、木の良い香りがする。あくまでゲストを招くための施設であり、誰もが入れるわけではないため、今回の取材は貴重な体験だった。記者は「サウナのあるところ」のヨーナス・バリヘル監督や同作の出演者らとともに入浴した。

 室内の温度は平均70~80度台。日本のサウナと比べるとやや低めに感じる。ただ、室内の誰かがサウナストーンに水をかけ、蒸気を発生させる「ロウリュ」を適宜行うので、しっかりと汗をかける。シラカバの枝を束ねた「ヴィヒタ」もあるためか、室内が“森の香り”に包まれているのも好印象だ。

「無人島サウナ」も

 サウナで話を聞きながら感じたのが、同国の人にとってサウナがいかに特別な存在であるかだ。

 フィンランドの人口は約550万人。これに対し、サウナの数は約300万に上るとされる。「フィンランドではどこの家にもあり、アパートや大学にも共有のサウナがあります」(同大使館員)。同国の無人島の中には、誰でも入れる公衆サウナがある島もあるという。

 昔は出産も行われるなど、神聖な場所とされていたサウナ。現代では会社にも設置され、「大事な顧客が来た際に使う『接待用サウナ』もあります」(同)。外交交渉にも使われており、かつて難しい関係だったソ連との交渉もサウナで行われたことも。日本政府の要人とも、この「サウナ外交」が重要な役割を果たしたという。

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