ピークパワーが由来
「スカイライン400R」と聞いて、ソワソワと腰が落ち着かなくなり、ワクワクと小躍りしたくなった。日産が復活の狼煙として期待するスカイラインに、特別な存在として「400R」を開発したからである。
「400R」は、ピークパワーが由来だという。搭載するエンジンは、3リッターのV型6気筒ツインターボである。最高出力は405ps/6400rpm、最大トルク475Nm/1600~5200rpmに達する。
実はスカイラインに積まれるエンジンはすべて、新開発のV型6気筒である。リーフやe-POWERなどに注力していながら、内燃機関の熟成を疎かにしていなかったのだ。そのなかでも400Rは特別である。シリンダーの内径やストローク量は304psのGT系と同じだが、コンピュータ系のチューニングによって大幅なパワーアップに成功したのである。ターボチャージャーの過給圧が高められていることは想像に難くない。
とはいうものの、ブーストアップで強引に400馬力を求めたものではなさそうである。ハイパワーターボでありながら、極低回転域からトルクが滲み出ているし、高回転域に突入しても淀みがない。姑息に数字を稼ぎたいあまりにタービンを大きくしたり、無理矢理に過給圧を高めたのではこうはならない。あくまでドライバビリティを確保しながら、いざという時のパワー感を求めたのである。そこに良心を感じた。