ライフ

合計で40軒超、中華街がタピオカの“聖地”に (1/2ページ)

 タピオカ入りドリンクの人気を背景に、横浜中華街(横浜市中区)では、ここ数カ月でタピオカドリンクを販売する店が急増した。現在では少なくとも合計で40軒超に上り、低価格志向の観光客を狙って、閉店した中華料理屋の跡地などに専門店が次々とオープンしており、中華街はタピオカの“聖地”と化している。そうしたなか、一過性の熱狂で終わらせまいと、各店舗は知恵を絞っている。

 中華街に一歩足を踏み入れると、つるつるとした黒い球体が入った飲み物の看板が目に飛び込んでくる。「台湾タピオカ専門店」「タピ放題」などと書かれた看板やのぼりが掲げられた店舗は、女性客やカップル客らでにぎわっていた。

 点心から切り替え

 以前からタピオカドリンクを扱っている店はあったが、屋台式や間借り店舗、専門店の出店が相次ぎ、現在では計44軒の店がある。このうち専門店は24軒。店先で友人とタピオカドリンクを飲んでいた自営業の岩井優さん(33)=千葉県=は「昨年、来たときと比べると、急激に増えたと感じた。タピオカドリンクばかりだ」と驚く。

 タピオカドリンクの人気を商機と捉え、業態を切り替えた店舗も多い。そのうちの一つが、善隣門の近くにオープンした、中国タピオカドリンク専門店「答案 ANSWER TEA(アンサーティー)」だ。中華料理店「皇朝」系列の点心の店「明朝」の跡地に、皇朝グループが中国から同店を逆輸入。元々は肉まんなどの点心を販売していたが、4月にリニューアルオープンした。

 低価格志向に合わせ

 同グループは、他店との差別化を図ろうと、人工知能(AI)を導入した斬新なサービスで客を楽しませている。客が専用のカップのカバーに書き込んだ願い事をAIが読み込み、その願い事がかなうかどうかといった回答が、容器に印刷されるというものだ。運営会社の担当者は「味が良いことが最優先で、プラスお客さま自身が楽しめる体験を提供したいと思った。今後、店舗数を拡大し、認知度を高めてブランディングを進めていく」とし、タピオカのさらなる浸透を図る。

 中華街最大級のエンターテインメント施設「横浜大世界」の玄関口には、「タピオカ大世界」と書かれた横断幕がつるされている。同施設では7月にオープンした専門店など2店舗が営業中だ。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus