日本の議論

政治家の育児休暇、どう思う? 「柔軟な取り方なら可能」「義務化に違和感」 (1/2ページ)

 小泉進次郎環境相が第1子の誕生を前に育児休暇の取得を検討している。日本は男性の育休取得率が低く、与党には男性の取得を義務化すべきだという意見まである。知名度の高い小泉氏が取得すれば男性の意識改革を促すとの声があるが、有権者に選ばれて法案の賛否などを判断する政治家が育休を取ることには異論もある。育休の取得経験がある鈴木英敬三重県知事と、育休問題に詳しい法政大の武石恵美子教授に聞いた。

 三重県知事・鈴木英敬氏 「小泉氏から電話あり…」

 --知事として育休を取った

 「議論の前に前提を2つ指摘したい。一つは、特別職公務員の首長や国会議員には勤務時間も休暇制度もない。もう一つは、育休といっても給付金が出る法律上の制度の育児休業と、法律上の制度ではないが企業・団体が認めている育児休暇は似て非なるものという点だ。私が取ったのは正確にいうと『育児休暇のようなもの』で、1人目の子供のときは飛び飛びで計3・5日間、2人目も飛び飛びで計5日間と、3カ月間、出勤時間を30分ずらし、長男を幼稚園バスまで送る時間をもらった」

 --政治家が育休を取ることをどう思うか

 「私は社会の最小単位である家族をとても大切に考えているが、世の中の空気を変えることもリーダーの仕事の一つ。小泉氏が育休に言及し話題になったが、ぜひ取ってほしいと思う。国会議員が国益のために力を尽くすのは当然だが、時間の使い方はいろいろあっていい。私の場合も賛否両論あったが、結果的に、三重県庁では男性の育児休業の取得率が知事就任前の1・92%から36・67%に上昇し、育児休暇の取得率は平成30年度に93・33%に達した。女性職員の後押しも大きかった」

 「育休といっても、連続して何日も休む必要はなく、柔軟な取り方をすればいい。式典などの出席で副大臣に代われるものは代わるなど、やり方はいろいろ。育休後、取りたいが取れない人がいるという社会状況を変革するためにしっかりと行動すれば、パフォーマンスではないとわかってもらえるはずだ」

 --政治家が育休を取ることへの批判もある

 「小泉氏から内閣改造があった9月11日の朝に電話があり、『知事はどう育休を取りましたか』と聞かれた。私は自分の育休の話をした上で、公務に支障をきたさないこと、危機管理を万全にすること、妻の不安の払拭が大切だということを伝えた。批判はどんな取り方をしても絶対にある。私は育休中でも台風が来ればすぐに駆けつけられる態勢を取った。育休後も育児参画していれば、批判は消える。そのことも伝えた」

 --男性の育児休業取得を義務化する動きもある

 「自民党の議員連盟が主張しているのは、今は努力義務となっている育休の取得勧奨を企業に義務付けるというものだ。取得勧奨の義務化であれば、私はあってもいいと思う。その結果、育休を取るか取らないかは家庭事情やキャリア、所得などを勘案して本人が決めることだ。個人の希望を最優先すべきで、押しつけることがあってはならない」

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