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ラグビー代表を再生させた"すごいストレッチ" あらゆる不調は正しい姿勢で改善へ (1/3ページ)

 選手同士が激しくぶつかり合うラグビーは、ケガの多いスポーツだ。4年前のラグビーワールドカップでチームに帯同したアスレチックトレーナーの佐藤義人氏は、「ケガからいち早く回復するにはストレッチが重要。そうした『筋肉のしつけ方』は、一般の人にも効果がある」という――。

 ラグビーと筋肉には共通点があった

 ラグビーワールドカップ2019のサモア戦。日本にとってあと1トライが欲しかったノーサイド直前、松島幸太朗選手が最後にトライを決めたとき、4年前の壮絶な戦いの記憶が鮮明によみがえりました。

 史上最大の番狂わせといわれた「ブライトンの奇跡」。南アフリカに勝ったその瞬間、日本代表に帯同していた私は同じグラウンドのベンチサイドで感激の涙を流していたのです。

 日本代表チームで私に与えられた役目は、ケガをした選手を試合ができる状態にまで回復させること。今も代表の中核として活躍している堀江翔太選手、リーチ・マイケル選手、南アフリカ戦で決勝トライを挙げたカーン・ヘスケス選手など、故障を抱えていた選手たちを万全に近い状態で復帰させるまでの手順を考えることで、毎日頭がいっぱいでした。その分、勝利の喜びはかつてない感激となり、涙を抑えることができませんでした。

 ラグビーではDiscipline(規律)を守ることがとても重要です。反則をしないでチーム一丸となり相手の得点を防ぐことの重要さを学びました。今回のラグビー日本代表の戦いぶりを見ても、ペナルティーを減らし、イエローカードやレッドカードを出さないことに注力することを選手全員で共有していることがわかります。

 このDisciplineには「しつける」という意味もあります。これは人間の体にとっても必要なことだということを、ラグビーの試合に帯同し、選手の体をケアする中で痛感しました。「筋肉をしつける」「姿勢をしつける」ことにより、ケガや痛みを予防できることがわかってきたのです。

 スクラムで首の骨が変形した堀江翔太選手を再生させた

 今回のワールドカップ初戦のアイルランド戦でマン・オブ・ザ・マッチに選ばれたフッカーの堀江選手ですが、2015年の時点では、長年にわたって組んできたスクラムの衝撃から首の骨が変形してしまい、それが首の神経を圧迫するまでになっていました。そのため、左手の指を思うように動かせないまひ状態になるまで悪化していたのです。

 堀江選手は、2015年のワールドカップが始まる7カ月前に手術をし、代表に合流したのは4カ月前でした。私は彼と話し合い、ワールドカップに懸ける彼の思いを聞く中で、「私にできる精いっぱいのことをして、何とか間に合わせてあげなければいけない!」という気持ちになりました。

 もちろん、施術してみないと間に合うかどうかはわからなかったのですが、体の構造のことや、私の経験してきたことを踏まえていくと十分可能性があるということを伝えました。

 そして、ケガを治すためであれば何でもする覚悟を決めた堀江選手と、二人三脚のトレーニングが始まったのです。手術のリハビリをしながらトレーニングもこなし、何とかラグビーができる体にまで再生した彼は、見事、不屈の精神で先発出場し「ブライトンの奇跡」に貢献したのです。

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