ヘルスケア

エイズは治療すれば人にうつらない病気に 新常識で若者啓発 (2/2ページ)

 医学進歩も消えぬ偏見や差別

 エイズをめぐっては、患者や感染者への差別や偏見が根強い。エイズ研究の第一人者である国立病院機構大阪医療センターの白阪琢磨・エイズ先端医療研究部長は「治療は大きく進んでおり、感染しても早期から治療を続けていれば、人にうつす危険がなくなる」と言いきる。

 現在の治療法は、感染が確認された後、1日1錠の薬を飲み続ける。個人差はあるが、おおむね数カ月の服薬で、体内のウイルスをごく微量に抑えることが可能。その状態が半年以上続けば、性行為してもパートナーに感染しないとする報告も世界中で相次いで発表され、日本エイズ学会も3月に支持を表明した。

 しかし、国内ではまだ十分に知られておらず、病院から透析治療を断られる、結婚を周囲に反対されるなどの差別があるという。

 昨年には、北海道の病院で、HIV感染を告げなかったことを理由に30代の男性がソーシャルワーカーとしての採用内定を取り消され、訴訟に。国のガイドラインではHIV感染を理由に労務管理上不利益に扱うことを禁止しており、今年9月に男性側が勝訴した。白阪さんは「こうした問題がよりによって医療機関であった。正しい知識があればそうした差別は起こらないはずだ」と憤る。

 近年では、非感染者とほぼ変わらない平均寿命まで生きられる人も多い。だが、そのことから高齢になった感染者が福祉施設への入所を断られるといった新たな問題も生じているという。

 イベントは午後2~5時、入場無料。

エイズ 後天性免疫不全症候群の略。免疫細胞を破壊するエイズウイルス(HIV)によって生じる。感染により免疫力が低下し、悪性腫瘍や感染症など23の疾患のうちいずれかを発病した状態をエイズ発症とみなす。完治することはないが、抗HIV薬の服用で発症を抑えることができる。最も多い感染経路は性行為で、HIVを含む血液や精液、膣分泌液などが粘膜や傷口から体内に入り感染する。コンドームの正しい使用で性行為による感染を予防できる。

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