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児童虐待、DV対策で防げ 相次ぐ事件、検討進む (1/3ページ)

 深刻な児童虐待の裏側で、配偶者へのドメスティックバイオレンス(DV)も同時に起きているケースが相次いで明るみに出てきている。東京都目黒区や千葉県野田市で発生した児童虐待死事件では、いずれも母親が父親からDVを受けていたことが、刑事裁判の中で明らかになった。11月には内閣府の「女性に対する暴力をなくす運動」期間があり、今年度のテーマは「DVと虐待」だった。被害を防ぐためには何が必要なのか。(加藤園子)

 ◆「自分が正しい」

 「自分が正しいと強く思い過ぎ、次第に(元妻を)威圧するようになった」。目黒区の船戸結愛(ゆあ)ちゃん=当時(5)=を死なせたとして、保護責任者遺棄致死罪などで懲役13年の実刑が確定した父親の雄大受刑者(34)は東京地裁の公判でこう振り返った。

 結愛ちゃんは雄大受刑者から暴力や過度な食事制限を受けていたが、家庭内では元妻の優里(ゆり)被告(27)=控訴中=も、雄大受刑者から長時間の説教を受けていた。雄大受刑者の虐待に徐々に反発しなくなり、結愛ちゃんの死亡直前も病院に連れて行けば「雄大に怒られるどころじゃ済まないと思った」というほど追い詰められていた。

 野田市の栗原心愛(みあ)さん=当時(10)=が死亡した事件で有罪判決が確定した母親も、夫からDVを受けており、虐待を止められなかったと説明した。

 ◆家族全員を救う

 なぜ身内である子供や配偶者を傷つけるのか。DV加害者の更生プログラムなどを実施するNPO「アウェア」(東京都千代田区)の山口のり子代表は、多くの加害者は「自分は正しいと考えがちで、親密になると相手を見下して支配的になる」と指摘する。一方で、他人には礼儀正しい一面もあるといい、外部から家庭内の状況を見抜くのは難しいという。

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