高論卓説

腸内環境と高齢者の健康関係 発酵乳製品と運動が生活習慣病防ぐ (2/2ページ)

 便秘のリスクは、発酵乳製品を週0~2日よりも6~7日取る人のほうが低かった。同様に、1日7000歩未満よりも7000歩以上歩く人、あるいは中強度活動を1日15分未満よりも15分以上行う人の方が低かった。

 さらに、週6~7日の発酵乳製品摂取と1日7000歩以上あるいは中強度活動15分以上を組み合わせた人の便秘リスクは、週0~2日の摂取と1日7000歩未満あるいは中強度活動15分未満を組み合わせた人のリスクの10分の1にすぎなかった。

 便秘は腸内有用菌数を減らし、大腸がんのリスクを高める可能性があるとされる。日本人の死因1位の大腸がんを予防するためにも、発酵乳製品と身体活動は手軽に挑戦できる生活改善法といえそうだ。

【プロフィル】東嶋和子

 とうじま・わこ 科学ジャーナリスト。筑波大・青山学院大非常勤講師。筑波大卒。米国カンザス大留学。読売新聞記者を経て独立。著書に『人体再生に挑む』(講談社)、『水も過ぎれば毒になる 新・養生訓』(文芸春秋)など。

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