もう一つはブレーキだ。超低速走行時のブレーキ操作で「カックン」となることがあった。中高速度域で大きく踏み込むときは違和感ないのだが、数ミリのペダル操作を行うときに、踏み込み量に対するブレーキの利き具合にもう少し一定の減速感覚が欲しい。もっと言えばブレーキペダルに“踏み応え”が欲しい。少し言いづらいが、実はこの直後に試乗したMAZDA3のペダルの方が、圧倒的に感覚がつかみやすく優れていた。
スポーティーな外観で「地味」からの脱却
新型カローラは世界共通のプラットフォームを採用したことで、全幅が1700mmを超えて歴代初の3ナンバーとなった。とはいえ、全長4495×全幅1745×全高1435mmの体躯に扱いづらさは感じなかった(ちなみに参考として、プリウスは4575×1760×1470mm。搭載する1.8Lエンジンとモーターの型式は同一タイプ)。5ナンバーモデルとして継続販売しているカローラアクシオ(4400×1695×1460mm)を運転した時よりも若干の大きさは感じたが、前方やドアミラー周辺の視界は良好で小回りも利くなど、特に不便はなかった。
外観デザインはスポーティーに仕上げている。グリル形状はあまり好みではないが、横長のヘッドランプやリヤの灯火類は小ぎれいにまとめており、デザインを攻め過ぎて見直しを迫られたプリウスよりも好印象。特にカローラスポーツや同時発表したカローラツーリングに採用したリヤコンビランプはワイド&ローを演出するシャープな形状で、素直に「カッコいい」と思わせる秀逸なデザインだと思う(※あくまで個人的な感想です)。クルマの印象はほぼ外見で決まると思うが、そういう意味で新型カローラは個人的にこれまで持っていた「地味」といったイメージを一掃している。
個人的に気になった2点(ノイズとブレーキ)を除けば、クラスを超える上質さを備えたセダンだと感じた。ユーザーの安全を優先し、予防安全パッケージの「トヨタ・セーフティー・センス」を全車に標準装備している。「走る・曲がる」に関してクセはほとんどない。様々な操作に対する反応が自然で、逆にこれといった尖った特徴は見当たらない。むしろ“世界のベーシックカー”として、誰もが受け入れやすいクルマを目指して、あえて上質でクセのないクルマに仕上げたのだろうと感じた。別に誰かの心が躍らなくてもいい。誰もが親しみやすい存在、それがカローラの根本にあるのだと思う。
【乗るログ】(※旧「試乗インプレ」)は、編集部のクルマ好き記者たちが国内外の注目車種を試乗する連載コラムです。更新は原則隔週土曜日。アーカイブはこちら
■主なスペック(試乗車)
全長×全幅×全高:4495×1745×1435mm
ホイールベース:2640mm
車両重量:1370kg
エンジン:直列4気筒
総排気量:1.8L
最高出力:72kW(98ps)/5200rpm
最大トルク:142Nm(14.5kgm)/3600rpm
トランスミッション:CVT
駆動方式:FF
タイヤサイズ:215/45R17
定員:5名
燃料タンク容量:43L
燃料消費率(WLTCモード):25.6km/L
ステアリング:右
車両本体価格:275万円(税込)