ヘルスケア

覚醒剤、大麻、MDMA…違法薬物、それぞれの恐ろしさを確認する (1/2ページ)

 合成麻薬「MDMA」を所持したとして起訴された女優の沢尻エリカ被告(33)の初公判が1月31日に、東京地裁で開かれ、即日結審した。沢尻被告は、合成麻薬「LSD」や大麻(マリフアナ)、コカインも使用していたとの趣旨の供述をしていたという。違法薬物は種類も危険もさまざまで、軽い気持ちで手を出した若者が“破滅”にいたるケースも少なくない。間違っても手を出さないように、それぞれの恐ろしさを確認しておきたい。

 新聞やテレビなどでよく聞かれるのが覚醒剤。主原料は、漢方にも使われる植物「麻黄(まおう)」から抽出される「エフェドリン」だ。強い興奮作用があり使用すれば高揚感が得られる一方、その後、脱力感や疲労感に襲われる。繰り返し使うと依存症になり、幻覚・妄想状態に陥る。

 摘発も多い。捜査当局による押収量は平成28年から3年連続で1トンを超え、30年は約1.2トン。検挙人数は違法薬物事案全体(1万4755人)の68%を占める1万30人に上る。

 使用の“入り口”

 近年、特に若者の間の広がり、検挙が増えているのが大麻だ。20代の検挙人数は30年に初めて覚醒剤を上回った。全体でも5年連続増加し、過去最多の3762人となった。「身体への悪影響がない」「依存性がない」などの誤った情報が流布されていて、心理的にハードルが低いせいか、さまざまな違法薬物使用の“入り口”となる「ゲートウェイ・ドラッグ」とも呼ばれるが、実際は危険性が高い。乱用すれば幻覚作用で集中力がなくなったり、情緒が不安定になったりする。何もやる気がしない状態(無動機症候群)が引き起こされ、社会生活に適応できなくなることもあるという。

 沢尻被告が所持していたとされるMDMAも「ゲートウェイ・ドラッグ」の一つだ。カラフルな錠剤型で、ラムネ菓子のような見た目から、抵抗感が薄いともいわれるが、覚醒剤と似た化学構造を持つ。別名「エクスタシー」と呼ばれ、精神錯乱や記憶障害を引き起こす。

 LSDは純粋な形態では透明な結晶だが、液体として製造することも可能。錠剤などのほか、チューインガムや菓子などに垂らして使われることもある。よく知られる違法薬物では最も強力とされる。高揚感や不眠状態が続き、幻覚症状によりビルから飛び降りたり、電車に飛び込んだケースも報告されている。

 コカの木の葉を原料とする「コカイン」、ケシから作られる「ヘロイン」も強力で危険だ。コカインが神経を興奮させる作用があるのに対し、鎮静・鎮痛効果もあるヘロインは、禁断症状として全身の痛みや悪寒、失神が生じるという。

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