新型メルセデス・ベンツ「GLE」がジャパンデビューしたのが2019年6月。それ以来、メルセデスの公式発表どおりに、3バリエーションのエンジンを揃えた。
「300d」は直列4気筒2リッターターボディーゼル、「400d」は直列6気筒3リッターターボディーゼル、「450」は直列6気筒3リッターターボ。ディーゼル2モデル、ガソリン1モデルの構成に死角はない。メルセデスのディーゼル戦略の象徴でもある。
最大の特長は3列シート
今回試乗したのは、700Nmというビッグトルクを発揮するディーゼル「400d」である。GLEの前身である「Mモデル」がデビューしたのが1998年。メルセデスのミドルサイズSUVとしてイメージを牽引してきた。MモデルがGLEと名を変えたのが2015年である。
車名を改めて、シンプルに頭文字で識別するのは、ドイツ御三家の最近の流行のようだ。BMWのセダンは、車格の上から7、5、3と流れる。SUVは頭にXをそえてX7、X5、X3と整えている。アウディも狙いは同じで、車格の上から8、7、6、5、4、3、1と流れ、SUVはQを頭文字にQ8、Q7、Q5、Q3、Q2と揃えているのだ。メルセデスは数字の代わりにS、E、Cとアルファベットを並べており、SUVはGLS、GLE、GLCとなる。ドイツ勢で足並みを揃えているのは面白い。
GLEの最大の特長は、3列シートを得たことである。狙いは、メルセデスSUVにとってのメインマーケットである米国を狙ったからにほかならない。米国では大排気量ビッグサイズのSUVが圧倒的な人気を得ている。自動車メーカーとして利益を得るためには、米国にSUVを投入しない選択肢はないのだ。世界のほとんどのメーカーがSUVを開発しているのは、米国がおいしいドル箱マーケットに見えるからである。