特にGLEのようなビッグサイズSUVは、米国ウケがいい。メルセデスにはGLEよりもさらにビッグサイズのGLSが存在する。もちろんそれも同様に3列シートだが、GLSよりややコンパクトな(と言っても日本で乗るには大型に違いない)3列シートのSUVが必要だったのである。そのために、3列シートにするには短かった先代モデルより全長を100mmも伸ばした。そのうちの80mmがホイールベースの延長だ。それが3列シートを成立させるためであることは想像の通りである。
補助的シートではない?
3列シートによる乗員の不満を抑えるために、様々なアイデアを投入している。ホイールベースを延長しただけにとどまらず、Aピラーを直立方向に起こし、1列目の乗りやすさを求めた。その分、1列目を前にスライドすることが可能になり、2列目にも余裕が生まれる。さらに、2列目には世界初という6ウェイのフルパワーシートを標準装備にした。これにより、2列目のレッグスペースは、先代よりも69mmも広くなった。2列目シートは電動で100mmもスライドするから、3列目も広いのである。
3列目はとかく、エマージェンシー用シートとされることが少なくなかった。日頃は3列目シートを折り畳み、荷室を広くするための3列目仕様と考えるユーザーも多い。だが、これなら日常に3列シートも活用できる。大人が乗っても、耐えられる広さである。駅までの送り迎えや、子供達の送迎には問題ない。
ともあれ、走り味は武骨である。都会的な乗り心地ではなく、オフロード性能が重視されている。クロスカントリー的な性能が高い。だから3列目に座っての長距離移動は、ちょっと辛いだろう。
【試乗スケッチ】は、レーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、今話題の興味深いクルマを紹介する試乗コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【クルマ三昧】はこちらからどうぞ。