日本の議論

アイヌ施策、そのあり方 「帰属意識育む環境を」「欠かせぬ反省と先住権」 (3/3ページ)

 【記者の目】最大の課題は関心の低さ

 アイヌが創作の世界で脚光を浴びている。アイヌの少女が活躍する漫画「ゴールデンカムイ」がヒットし、樺太アイヌを主人公とする川越宗一さんの小説「熱源」が直木賞を受賞した。アイヌへの関心が高まっているのだろうか。

 アイヌ文化に触れる機会があるのは北海道の魅力の一つだ。だが、道の調査によると、ウポポイは道外での認知度が極めて低い。

 昨秋、アイヌの男性が先住民族の権利だとして道の許可なしにサケを捕獲し、道警の取り調べを受けた。先住権がアイヌ施策推進法に盛り込まれていないことへの批判がある一方、先住権を認めれば優遇策になると反発する意見もある。

 推進法の施行を機に先住権をめぐる論争が顕在化しつつある中、法の内容はほとんど知られていない。アイヌ施策を進める上での最大の課題は、国民の関心の低さだろう。(寺田理恵)

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