新型コロナウイルス感染拡大で崩れる
だが、その期待は、新型コロナウイルス感染拡大でもろくも崩れた。中国政府は、1月27日から海外への団体旅行を全面停止する決定を下した。
A社は28日からの山形蔵王へのスキーツアーを計画していたが、飛行機自体がキャンセルされたため、当然ながら訪日できずとなった。2月、3月のスキーツアーもすべてキャンセルとなり、キャンセル料を宿泊予定だったホテルなどと交渉することに。そこで思わぬトラブルが発生した。
2月末に岩手のスキー場を訪れるツアーもキャンセルとなり、宿泊キャンセルを伝えたところ、1か月ほど先にもかかわらずキャンセル料50パーセントが引かれて返金されたという。
このホテルは、スキー客向けの非グループ系の単独ホテルで、宿泊約款を根拠に正当なキャンセル料を受け取ったと主張した。
新型コロナウイルスは、台風や大地震などの自然災害ではないが、中国政府が禁止したことによる止むを得ずなため考慮してくれないか、と重ねて交渉するも返金には応じられず。結果、日本の協力者に仲介してもらい、なんとか10パーセント返金上乗せのキャンセル料40パーセントで落ち着いたとのこと。
一般的な日本のホテル、キャンセル料金はどうなっているのか
この話を取材して、日本の一般的なホテルのキャンセル料金はどうなっているのか、知人である世界展開する5スターホテルの現役スタッフに尋ねると、「ホテルグループであればグループ統一のキャンセルポリシーを定めてホームページ等へ明示しています。日本での法的な根拠は、『消費者契約法』で、その範囲内で宿泊約款を定めて運用されていますが、個々の宿泊施設で決めることができるため、たとえば、宿泊3か月前からキャンセル料として宿泊料の99パーセント請求も可能と言えば可能です。まあ、実際は、そんな宿泊施設は存在しないと思いますが」とのこと。
ホテルグループ以外では、「日本ホテル協会」などに加盟していると統一のルールを設けることもあったり、「楽天トラベル」や「エクスペディア」などオンライン予約サイトでは、サイト統一のキャンセルポリシーが紹介ホテルへ適用されている。
今回A社が予約していたホテルは、中国人宿泊客の比率が高く、キャンセル時の客室を日本人客や他の外国人客で埋めることが難しいと考えて作成された宿泊約款だと思われる。インバウンドの中国人観光客に大きく依存するホテルにとっては死活問題であろうが、A社も来シーズンはこのホテルを利用しないと話しているので、双方にとってもっとよい落とし所を見つけることはできなかったのかと思ってしまう。(筑前サンミゲル/5時から作家塾(R))