グローバルリーダーの育て方

科学は、まだオムツの取れない子どもでも学べる (1/3ページ)

龍芳乃
龍芳乃

 めっちゃ文系がサイエンススクールを運営?

 私はArt to Science(アートからサイエンス)を学びのアプローチとして定義しているインターナショナルスクール「GGIS」を運営しています。人間力やコミュニケーション能力なども含めたアート(文系)に始まり、サイエンス(理系)の両刀を習得させるというミッションの学校です。しかし、私自身は自他ともに認める「めっちゃ文系」です。「文系頭」として「情熱は論理を超える」と負け惜しみに近いことを訴えながら(笑)、自分なりに今まで生き抜いてきました。ただし、これからの時代を生き抜いていくためには、大人も子供も、ロジカルに考え、それを形にしていく力・技術が必要になっていきます。

 小学校では今年の4月からプログラミング教育が必修となります。日常の中にもAIが支えるサービスがちらほら目立つようになり、会社や学校など様々な場所にそのシステムが導入され、便利になっています。大人も子どもも「理系」に強くならないと…と肌で感じている方も多いのではないでしょうか。

 日本では高校生から、早いと中学生から、学生を進路に沿って「文系」「理系」に分類し始めますね。私が運営するインターナショナルスクールでは、文・理のどちらも必要と考えています。そして通う子どもたちは、「サイエンス(科学)」と総称して、数字、足し算・引き算、理科、天文学(例:星について学ぶ)、生物学(例:動物の生体について学ぶ)、プログラミング、ロジカルシンキングなど様々な科目を学んでいます。しかもまだオムツを履いているような小さな子どもが!

 子どもは生まれながらにサイエンティスト

 「学校でサイエンスを学ぶ」というと、白衣を着てビーカーで実験をしているような様子を思い浮かべるかもしれません。そんな大げさなことをしなくても、自然や日常の中にサイエンスの題材は詰まっています。

 サイエンスの基本は、様々な事象を観察(Observe)し、推測(Guess)し、実験・実証する(Apply)ことです。赤ちゃんも含め、子どもは意識せずとも、生まれながらにこれが大の得意。赤ちゃんは毎日、試行錯誤しながら自分の体の使い方を学んでおり、幼児になると「なんで?」「どうして?」とたくさんの疑問を投げかけてくれます。

 我が家の3歳の“サイエンティスト”は先日、「お風呂にティッシュを大量に入れたらどうなるのだろう? きっと楽しいことになるぞ」と推測したようですが、「母の雷が落ちる」という実証結果となりました。子どもは自然と、様々な事象に疑問を持ち、探求する天才です。

 では、子どもが生まれながらのサイエンティストなのであれば、幼い頃から学校でそれを学ばせる必要はあるのか? という思う方もいるでしょう。その答えはYESです。

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