終活の経済学

死後の手続き(3)葬儀の後・お墓の検討 (1/2ページ)

 故人の「デジタル遺品」に注意

 葬儀は全て業者が手配し、滞りなく進行してくれる。しかし、葬儀後は基本的に業者の手が離れ、自分たちで決め、手続きをしていかなければならない。

 親戚の助けもなくなり、会社の忌引休暇を終えて日常に戻った遺族は、年金や保険の手続き、預貯金などの解約や名義変更といった事務手続きをこなしながら、法要の準備を進める必要がある。「亡くなった直後より、葬儀後の方が数倍も大変だった」という遺族も多い。

 遺品は思わぬ場所に

 まず「保存」「捨てる」「あげる」の分別からスタートする。「遺品には四十九日を過ぎるまで手をつけない」という慣習も一部であるようだが、思わぬ場所から遺言、証券、通帳など相続に関するものが出てくることもある。早い段階から着手する方が賢明だ。中には高級品や危険物もあり、分別には手間と時間がかかる。また、遺品は自宅だけだとは限らない。病院や介護施設からの荷物の引き取りは早めに行おう。

 最近では、「デジタル遺品」の扱いも注意が必要だ。70代の2人に1人がインターネットを使っているといわれる時代。パソコンやスマートフォンでネット銀行やネット証券、外国為替証拠金取引(FX)などをやっている人も多く、放置しておくと思わぬ問題を引き起こしかねない。

 故人が利用していたサイトやサービスは、家族でも知ることが難しい状況にある。デジタル遺品については後回しにせず、専門家に相談するなど早めに着手しよう。できれば、IDやパスワードなどを含め、生前に把握しておくことが大切だ。

 位牌の注文は早めに

 位牌(いはい)は、故人の霊を祭る象徴として仏壇に安置するもの。葬儀の際に祭った「白木の位牌」は四十九日法要まで。それまでに新たに「本位牌」を準備しておく必要がある。注文してから受け取るまで、通常1週間程度見ておいた方がいい。仏壇がない場合は、位牌と一緒に仏壇も購入しておく。

 四十九日法要では、白木の位牌から魂抜きをし、本位牌に魂入れを寺院にしてもらう。浄土真宗では位牌を祭らず、過去帳に法名や没年月日を記入して仏壇に納める。

 四十九日法要の準備

 仏教では死後7日ごとに法要を営み、四十九日をもって忌明けとなる。ここで行われるのが「四十九日法要」。満中陰法要といわれる法要だ。

 法要は、関係者が出席しやすい休日に行うことが多く、寺院と日時の調整、会食場所の調整などを早めに着手しなければならない。人数が多くなる場合は、返信用はがきを同封した封書で案内状を送り、出欠を確認する。その日数も考慮する必要がある。「家族葬だったが、法要には多くの親戚を呼ぶ」「法要は家族だけでやりたい」など家庭によってさまざまだ。

 納骨時期に規定なし

 納骨をする時期に法律の規定はないが、墓が既にある場合は、四十九日や一周忌などを目安に行う人が多いようだ。カロート(お墓に遺骨・骨壺を入れる空間)の蓋を開けてもらうので、あらかじめ石材店に連絡をしておく。費用は2万~3万円ほど。寺院に墓前法要をお願いする場合は、それも伝えておく。

 故人が墓の名義人の場合は、早めに名義変更をしておく必要がある。墓は「祭祀(さいし)財産」といい、預貯金などの現金とは区別されている。この祭祀財産は、慣例に従って承継者が単独で引き継ぐもの。遺言で指定されていればそちらが優先する。

 新たに墓を建てる場合は、墓地情報の収集から納骨場所の選定まで時間がかかるので、一周忌から三回忌ごろを目安に考えるといいだろう。

 墓地や納骨方法については、故人の遺志も大切だが、残された家族の意向がポイントになってくる。子孫が後世に引き継いでいく前提なら、場所や宗教・宗旨・宗派などを確認し、親戚間で話し合っておく。

 墓は土地(墓地)を買うのではなく、土地を使用する権利を得る。管理者と契約を交わし、墓地使用料(永代使用料)を支払う。値段は立地や区画の大きさ、使用する石材などで異なるが、中心価格帯は100万~250万円くらいだ。

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