ヘルスケア

緊急事態宣言、専門家に聞く 「情報発信足りなかった」「全国での対応大事」 (1/2ページ)

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府が発令を決定した緊急事態宣言。これで事態は終息に向かうのか、私たちはどう対応すべきなのか。専門家に聞いた。

 押谷仁・東北大教授(ウイルス学)の話

 これまでと同じレベルの対策では、対応しきれない状況になってしまったということだ。外出の自粛を含め、さらに積極的な対応をしないと感染の爆発的増加を抑えられない状況だ。

 (自身もメンバーの)政府の専門家会議はずっと、いわゆる3密環境に近づかず、大規模イベントを自粛するなどクラスター(小規模な感染者集団)の発生抑止策を提言してきた。これで国民の行動が変わり、新型コロナウイルスを制御できるとみていた。

 だが、残念ながら私たちの情報発信力が足りなかった。提言に基づく政府の対策実施も、スピード感と実効性が高いものではなかった。一部の人たちの行動は変わったが全体としては不十分で、その結果、今の状況になってしまった。だから緊急事態宣言の発令は必要で、当然のことだ。

 このウイルスは、外出の自粛を徹底して人同士の接触を減らすことで、感染拡大をある程度、制御できる。完全な「終息」には時間がかかるかもしれないが、危機の切迫度合いが下がる「収束」に向かわせることは可能だ。それには、行動をきちんと改めることが絶対条件となる。

 また、対象となった地域だけの問題と捉えてはいけない。対象地域はいずれも大都市圏だが、地方では外出や人との接触の自粛が進んでいないというデータがある。今この段階で行動を変えないと、2~3週間後には対象地域外でも必ず大流行が起きる。地方は医療施設が少なく、医療崩壊の可能性も高い。

 宣言を契機に行動を変えれば、事態終息に向かうことはできる。国民全体で本当に真剣に考えて気持ちを切り替え、この1カ月間に最大限の努力をすれば、新型コロナウイルスに必ず打ち勝てると信じている。

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