運用資産の目標額を「下方修正」する
コロナショックにより、運用している資産が目減りしているご家庭も少なくないでしょう。損を取り戻すために、積極的に売買しようとする人も見かけますが、今のように相場が乱高下しているときは、運用資産の「目標額の下方修正」をおすすめします。すでに、乱高下を何度も経験している経験値の高い人は、積極的に運用商品を増やしたり、入れ替えてもよいと思いますが、積立投資しかしたことのない人などが、銘柄の入れ替えをしようとしても、失敗の可能性があるからです。
たとえば毎月〇万円の積立で、60歳の時には3500万円に到達する目標を立てていたとしたら、60歳時点の到達目標額を3000万円などにいったん引き下げるのです。目標額を引き下げたのち、また相場が復活をしてきたら、その時に再度「目標額を上方修正」すればよいと思います。もし3500万円にこだわって、運用商品を入れ替えたり、運用方針を変えたとして、新たな運用がうまくいかなければ傷を広げるだけですし、将来の生活設計をより危ういものにしかねないと思います。
「貯金簿」を作り、収支を正確な数字でつかむ
さて、コロナウイルスの影響で、家計に不安が高まっている今、できればやって欲しいことがあります。それは、筆者自身が実践している「貯金簿」の記帳です。
貯金簿は、筆者が30代から付け続けている資産の推移を確認するためのノートで、3カ月に1度くらいの頻度で、記帳しています。
貯金簿の付け方を説明しますと、銀行預金は通帳を見たり、ネットで残高を調べて記入してください。運用商品は各自が利用している証券会社の口座にログインをして、記帳する時点の時価を調べましょう。国債や地方債などの債券は、購入額を記入すればOK。配当金が出ている場合でも、その金額は証券口座のほうの残金に反映されているからです。
個人年金保険や学資保険のように、貯蓄性のある保険に加入している場合は、解約返戻金額を記入したいところですが、毎回調べるのは大変です。そこで、記帳する時点までに払い込んだ保険料の総額を計算してみてください。例えば月額1万円で、その時点までに124カ月支払ってきたならば、124万円と書きましょう。
2カ月ごとの記入でコロナの影響がつかみやすくなる
これら「残高の記帳」を年に数回繰り返すだけで、1年間の貯蓄額が正確につかめます。家計簿をつけていても、口座に入った利息や配当金額などまでをつかむのは難しいですが、貯金簿は口座内の入出金も残高に反映されていますので、家計簿をつけていなくても貯蓄額がわかるのです。