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新型コロナ禍が際立たせる「日本遺産」 その存在意義 (2/2ページ)

 従来、街並みなどは文化財として保護されてきたものの、決して観光地として認識されてこなかった。そのため観光客が求めるような案内板や標識、トイレの改修、遊歩道の整備を急ぐ。市文化財保護課の中岡勝課長は「観光地としての試みは始まったばかり。文化財を活用していきたい」と意気込む。

 まずは認知度アップの取り組みを進める各市だが、ここにきて新型コロナの感染拡大の影響も出てきた。河内長野市は東京五輪開催に合わせて羽田空港国際ターミナルで計画していたPR活動を、泉佐野市は3月に予定していた講演会をそれぞれ中止した。たとえコロナ禍が一段落しても旅行需要が回復するには当面時間がかかるとの見方も多い。活用へのアプローチは足踏み状態だ。

 「地域活性化に役立てたい」と各自治体があてにする日本遺産はそもそも、文化庁が認定から3年間は補助金を支給する国の事業でもある。ただ、その内容については財務省が平成30年に公表した予算執行調査で知名度の低さや、支援する自治体に達成目標を持たせていないことなどを挙げて、「非効率・非効果的な事業内容」と指摘したほどだ。日本遺産制度を生かすためには、認定に満足することなく、誘客を促す仕組み作りなどを地元が継続的に行わなければならない。

 近大経営学部の高橋一夫教授は「日本遺産は知名度不足もあり、もともと認定後即誘客に結び付くわけではない。観光客が利用しやすい周遊システムの開発やガイドの育成など、時間をかける必要のあることを継続して行う必要がある」と話している。

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