一方、オンライン授業を行っていない西成高(大阪市西成区)の山田勝治校長は「一人で勉強できる子ならオンラインは有効だが、全員がそうではない」と懸念する。教室での学習にもサポートが必要だったり、家庭での学習習慣が身についていない生徒も少なくないといい、「教室で居眠りをしている子には働きかけられても、『動画を見ろ』という指導では、生徒側がスイッチを切ってしまえばそこで終わる」(山田校長)。同校はオンライン授業をどう行うか、模索を続けている。
名古屋大学の内田良准教授(教育社会学)は生徒数の多い自治体でオンライン環境を一斉導入する動きを評価しつつも、「同時双方向型でなければ教師のペースで進んでしまい、生徒側の様子が確認できない」と指摘。「学校に来ることで学習意欲の高低にかかわらず生徒は等しく学びを与えられていたが、オンライン授業では、意欲の有無や家庭環境などで離脱する子が増えるのではないか」と話し、新たな格差が拡大する可能性もあるとしている。
特定警戒都道府県は7月末までに 文科省方針
学校のICT(情報通信技術)環境整備について、文部科学省は18日までに、特定警戒都道府県で優先的に学習用端末やルーターの配備を促すことを決定した。これらの都道府県では7月末までにすべての児童生徒がオンライン学習を受けられる体制を整えるよう呼び掛けている。
小中学校への1人1台の学習用端末の配備をめぐっては、特定警戒都道府県以外でも令和5(2023)年度までとしていた当初の目標を、今年度中に前倒ししている。これを受けて、大阪市や堺市などは、今年度内に1人1台の端末整備を完了すると表明。文科省の担当者は「一人も残らず家庭学習ができる環境の整備を急ぐ」としている。