新時代のマネー戦略

二毛作・三毛作的な収入構造をつくる 会社に頼らない働き方が常識に (2/2ページ)

井上信一
井上信一

 有償ボランティアで将来のセーフティネットづくり

 副業が認められていない会社にお勤めでも地域福祉の有償ボランティアなら可能でしょう。

 会社員の方にはあまり知られていませんが、お住まいの地域には、実に多様な有償ボランティアがあります。休日や週末を利用し、高齢者宅を訪問して郵便物を整理したり会話をしたりする、介護疲れの家族の話しを聞く、子どもの居場所をつくるなど、最寄りの社会福祉協議会ではこうした情報を提供してくれます。

 これらは地域のセーフティネット構築のための貢献活動ですが、周り巡り、いずれ自分の老後の心強いセーフティネットになり得ます。週末や休みの日に、お住まいの地域に参加するのも一考ではないでしょうか。

 人生は長い かつて夢見た希望をバイトで叶える

 人生100年といわれる時代、これまでとは異なる常識が当たり前になるやもしれません。

 100年時代では80年時代より高齢期が20年延長します。65歳でリタイアした場合の余生が15年から35年に延長するのです。この長さは、現役生活にも匹敵する時間でしょう。これまでのような「学ぶ→働く→老後・余生」という画一的な人生でなく、これまでのような1つのキャリア(仕事)しか経験できないわけではなく、2つでも3つでも新しいキャリアを積んでいくことも可能です。

 60歳で定年を迎え65歳~70歳まで生活のために雇用延長するという働き方だけではなく、いったん学び直し、その後に全く異なる働き方をするというスタイルも考えられます。

 さらに、「もう一度人生をやり直す」という発想もあるやもしれません。子どもの頃や若い時に希望した「なりたい職業」に就くこともできます。

 かくいう筆者も、パン屋になりたいと思っていた頃があり、最近はそれを叶えたいと本気で考えています。とはいえ、投資しリスクある個人経営をする覚悟まではありません。ではどうするか。

 今の仕事は続けたまま、並行してお気に入りのパン屋さんにアルバイトやパートで働くのです。折しも筆者は早期に個人事業というフリーランスを選んだので、厚生年金保険の加入期間をもう少し増やしたいとも思っていました。非正規雇用でも就労時間により厚生年金被保険者になれるようになったのは追い風です。

 生地をこねたり焼いたりまではなかなか難しくとも、心地よい匂いに囲まれ、お金をもらえ、就労環境によっては年金までも増やせるのですから一石三鳥というもの。

 これからの時代、本業は本業としてキープしつつ、無理して一国一城の主にならずアルバイトやパートなどの非正規雇用を利用し、全く異なる好きな職種を転々とする働き方も、一つの常識になるのかもしれません。

 多重な収入構造がスタンダードになる可能性

 人生は一度きり。時間は戻せません。でも、職業は生涯唯一でなくやり直せるようになりました。それでいて多重な収入構造を作り上げ、家計収入を増やせる時代になろうとしているのです。もちろん、すぐに収入を倍増できる近道ばかりではありませんが、将来への種を撒ける機会は、着実に広がっています。

井上信一(いのうえ・しんいち)
井上信一(いのうえ・しんいち) ファイナンシャル・プランナー CFP(R)認定者
価値生活研究室 代表
10年強に渡るFP事業会社等での経験を経て2010年に独立。以来、「誰でもライフプランに基づくキャッシュフローを自分で作れる世の中へ。FPの仕事はその先」をモットーに、企業や労組の福利厚生支援やセミナー・個別相談・情報発信等に従事。主な著書に「保険設計ベスト事例集」(きんざい)等。また、地域の権利擁護事業を通した福祉活動も活発におこなっており、成年後見人としても受任中。

【新時代のマネー戦略】は、FPなどのお金プロが、変化の激しい時代の家計防衛術や資産形成を提案する連載コラムです。毎月第2・第4金曜日に掲載します。アーカイブはこちら

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